この恋は、きみの嘘からはじまった。
「まぁ、頼まれても惚気てやんねーよ。
琴乃の良いところとか、かわいいところとか。
俺だけに見せてくれる顔とか。
それは、俺だけの秘密」
顎を少し上げて挑発するような、でも楽しげな表情に声。
司くんの言葉を聞いた杉山くんはブーイング。
それを鼻で笑うと私の手をとり歩き出す。
「あ、また明日ね!」
「また明日」
「琴乃の惚気ならあたしもできるし」
「司のあほー!」
「ばーか!」
楽しそうに司くんはべーってしてから、教室を出た。
やっぱり司くんはいつも優しいけど、杉山くんや秋人くんといるときは口調が砕けるね。
普段の司くんじゃそんな姿見られないから、ふたりにちょっと嫉妬する。