この恋は、きみの嘘からはじまった。
いつだって雨が
−司side−
隣を歩く彼女を見つめると、勝手に頬が緩んでいく。
いつのまにかこんなに好きになってた。
俺だけのものにしたい。
ずっとそばにいたい。
優しくしたい。
離れたくない。
いままでこんな欲求を持ったことがあっただろうか。
俺は知らない。
こんな気持ち、初めてで変な感じ。
俺がこんなに独占欲が強くて、たったひとりに固執して、その人じゃないと嫌だって思うなんて。
昔の俺に言っても信じられないだろうな。
いまでも少し信じられない。
ずっとフラフラしていた俺がこんなにもハマってるんだから。
琴乃はすごいと思う。
独占欲が強すぎるにも関わらず、笑顔でいやな顔ひとつせず俺の隣にいてくれる。
琴乃以上に好きになれて、素敵な女の子はほかにはいない。