この恋は、きみの嘘からはじまった。




好きすぎて苦しいなんて変だな。


俺らしくないけど、琴乃といるとそうなるんだから仕方ない。





もっと、琴乃が欲しい。


全部欲しい。






「琴乃……」




愛しすぎて、全部を俺のものにしたい。


そっと琴乃が着ている俺のぶかぶかのスウェットに手を滑り込ませたとき。






「ただいまー!
てか司帰ってんじゃ……あんたなにやってんのよ!!
お母さん!!」


「どうしたの?
……ってあらあら」






いきなりリビングのドアが開かれたと思ったら最悪。


いまの雰囲気なんてお構いなしに琴乃を押し倒してる俺に近づいてきたいちばん上の姉が、俺の胸ぐらをつかんだ。








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