この恋は、きみの嘘からはじまった。
「琴乃ちゃん大丈夫だった?
うちのばかな弟がごめんね」
「いえ……」
「付き合ってんだからいいだろ別に」
「よくないわ!
まずは家族に紹介しなさいよ!!
あんたが本気の彼女作るの初めてじゃない!!」
そうゆうことは琴乃の前で言わなくていいよ。
てか、切実にやめてくれ。
言うな。
「あ、なんで琴乃ちゃんがあんたの服着てんの?
自分の服着せて萌えて襲ったってこと?
やらしいわね!気持ち悪い!」
「じゃあ菫の服を勝手に借りて良かったのか?
いつも俺が部屋に入ると怒るだろ」
「怒らないわよ。
こんなかわいい彼女のためなら、喜んで貸してあげるわ」
嘘つけ。
姉ふたり、特にこの菫の部屋に入ったら命はない。
そんくらいおっかない。
生まれたときから一緒にいるんだから、それくらい学習済みなんだよ。
「琴乃、送る」
「あ、うん」
「なんでよ、もっと話したい」
「今度改めて紹介するから。
また連れてくる」
「えー」
「まぁいいじゃない。
司がそう言ってるんだから」