この恋は、きみの嘘からはじまった。
全部きみのもの
この前、司くんの家に行ったときはドキドキしすぎて、おかしくなりそうだった。
ずっと緊張してて、司くんにソファに押し倒されたときはびっくりした。
でもいつかはそうゆう日が来るのかもしれない。
きっとまだ先だけど、そこまで遠すぎる未来でもないのかもしれない。
恥ずかしい気持ちの方がまだ強いけど、司くんの熱はすごく心地よかった。
そんなときに司くんのお母さんとお姉さんが入ってきたから、もうびっくりしすぎてそのあとの記憶はあんまりない。
けど、すごく優しそうだった。
司くんはこんな素敵な人の間で育ったんだなって、知れたことがなによりも嬉しい。
今度、挨拶に行くときはもっとしっかりした人って思われるように頑張りたいな。
「なーにスリップしてんの?
戻って来なさい」
「あ、奈々ちゃん。
いま私どこにいた?」
「ここにいたけど、意識は如月の元にあった」