この恋は、きみの嘘からはじまった。
な、なにそれ……。
確かに司くんのことを考えてたんだけどさ。
私は基本、常に司くんのことは頭にある。
もう住みついてるレベルで、当然のように思考のど真ん中にいるんだ。
「まぁ相変わらずラブラブで良かったじゃん」
奈々ちゃんの言葉に曖昧に笑う。
だって肯定しても否定しても感じ悪くなりそうで。
話を逸らそうとほかの話題をかんがえてたとき。
「来てくれてありがとう、如月くん」
不意に近くからそんな言葉が聞こえて足が止まる。
最後の授業が終わって移動教室から戻ってるときだった。
別棟で授業があったから、ここは移動教室以外で来たりしない。
告白にはベストスポットだ。