この恋は、きみの嘘からはじまった。
司くんのこと好きになって良かった。
心の底からそう感じて、気持ちが穏やかになる。
「そんな優しい司くんが私は大好きだなって思った!」
前は醜いわがままだったけど、本気で好きになった人だから、その気持ちが痛いほどにわかるんだ。
にこっと笑顔を向ければ、すぐに司くんの腕に抱きしめられる。
「俺も。
本気で好きな人ができたから、その気持ちがわかったから優しくしたいなって思った。
ありがたいなって。
好きな人が自分を想ってくれるってすごいことだよね」
「うん」
背中に手を回して抱きしめ返す。
奇跡みたいな確率だよね。
こんなに好きって思える人に出会えて、両想いになれるなんて。