この恋は、きみの嘘からはじまった。
楽しいことが1番
−司side−
「今日ね、奈々ちゃんと映画を観に行きたいねって話してたんだけど、如月くんって映画とか観るの?」
手を繋いで歩く帰り道。
俺の顔を覗き込んで訪ねてくるのは桃瀬琴乃。
くりくりした大きな丸目に、雪のように白く透き通る肌、頰は名前みたいに桃色に染まっている。
漆黒のサラサラの髪は肩下で切りそろえられていて、彼女とすれ違う誰もが振り返るほどの容姿。
そんなザ・清純派代表って感じの女の子は、いま俺と付き合っている。
「けっこう観るよ。洋画からアニメーションまでいろいろ」
「そうなんだ!またオススメ教えてほしいな」
「いいよ。今度まとめてくる」