この恋は、きみの嘘からはじまった。
狙ってるのか天然なのか、俺を見上げてやわらかく笑う桃瀬さんはやっぱりかわいいと思う。
けど、この子も他の子と変わらないんだろうな。
初めて話したのは去年の雨が降ってる日だった。
桃瀬さんにはちょっと期待してたけど、期待外れだ。
まぁそれでもせっかくだしいまの関係を楽しむけど。
「ほんとに?ありがとう」
照れたように笑う桃瀬さんに、思わず胸がざわついた。
純粋なその笑顔に、少しの罪悪感が生まれる。
好きでもないのに告白なんて初めてしたけど、俺も痛める良心があったらしい。
でも、この子もすぐに俺と付き合うくらいだから気にすることはないか。