この恋は、きみの嘘からはじまった。
「大丈夫?痛いとこは?」
「な、ないです……」
「良かった。ぶつかっちゃってごめんね」
申し訳なさそうに眉を下げて私と目を合わせてくるのは如月くん。
完全に私が悪いのに緊張して上手く声が出ない。
だけど、何も言わないのも失礼だから。
「こ、こちらこそすみませんでした……!」
彼の視線から逃げるようにペコッと頭を下げる。
恥ずかしすぎる……。
心臓が口から飛び出しそう。
鼓動がバクバクうるさいし急加速しすぎたせいで苦しい。
「じゃあ」
ニコッと王子様スマイルを浮かべて、私の横を通り過ぎた。