この恋は、きみの嘘からはじまった。
そして指で示して私に伝えてくれたから、如月くんが来たのかなって思いカバンを持って立ち上がる。
「ありがとう」
「いいえ」
お礼を言ってから、ドアの方に向かうも如月くんはいなかった。
代わりに別の人物。
「こっちゃん」
「えっと……佐々木くんが私を呼んだの?」
「そうだよ、こっちゃん」
「え、あの……」
「ははっ。びっくりした?司かと思った?」
「えっと、その……うん……」
素直に頷くと目を細めて笑った。