この恋は、きみの嘘からはじまった。
ちょこちょこ指で遊んで楽しげに笑う秋人くんを止めようと名前を呼ぶ。
でも、笑って私の前髪を触り続ける秋人くん。
そのまま校門を通る。
秋人くんはえすっ気があるのか、私が恥ずかしがるのを見てずっと笑ってる。
その時、いつかのように私に触れる手が別の手によって捕まれ、私から離れていく。
「っ……はぁ……ちょっと、何してんの?」
突然目の前にやって来た如月くんは息を切らしている。
走ったのかな?
それよりも、傘が後ろに落ちて雨で濡れちゃってる。
私は如月くんの傘を拾うため一歩下がって傘を持ち、如月くんの頭の上に差す。