この恋は、きみの嘘からはじまった。
そんな、私のことが好きみたいに錯覚できちゃう言動をするなんて。
「こっちゃん、またね」
「またね、秋人く……」
「桃瀬さん、行こう」
「は、はい!」
如月くんに引っ張られ、そのまま昇降口に行く。
傘を閉じて傘立てに置き、自分の靴箱で上靴に履き替える。
行動が遅い私を待っててくれた如月くんと、並んで教室へ行く。
その間、なぜか気まずくて無言。
如月くんの雰囲気がちょっと怖い……。
「桃瀬さん」
「はい」
「昼休み、すぐに行くから。
放課後もすぐに行く」
「う、うん」
「じゃあまたあとで」