この恋は、きみの嘘からはじまった。
周りから注目されているというのに全く気にしていない様子で私を見つめる。
付き合い始めて、こんなに早く迎えに来てくれるのは初めて。
昼休みもすぐに教室に来てくれたし。
「うん!
……あ、そういえば今日は部活のコンクールの応募用紙をもらいに行かなきゃいけないんだった」
せっかく迎えに来てくれて一緒に帰れるのに……。
申し訳ないけど仕方ないよね。
如月くんを見上げると首を少し傾け優しく笑った。
「じゃあそれを取りに行こうか」
「え、一緒に来てくれるの?」
「もちろん。
桃瀬さんと帰りたいし。
俺に遠慮しないで待っててって言うくらいしてよ。
ひとりで帰るとか意味ないから」