この恋は、きみの嘘からはじまった。
あぁ、もう……。
如月くんは本当に上手いんだから。
愛されてると思ってしまう。
また好きになってしまう。
「わ、私も如月くんと一緒に帰りたい」
素直な気持ちを伝えるとふわっと柔らかく微笑んでくれる。
わがまま言わせてくれるなんて優しすぎるよ。
いつか来ると知っている別れの時に離れがたくなってしまう。
「じゃあ一緒に行こうか」
「うん!」
急いで教科書をしまい、荷物をまとめて席を立つ。
奈々ちゃんに一言声をかけて、如月くんと一緒に教室を出た。
職員室にいる顧問のところへ行き応募用紙を受け取り簡単に説明を受ける。
それから職員室を出ると如月くんが笑顔で迎えてくれた。