この恋は、きみの嘘からはじまった。
ここが廊下だということも考えずに、私も抱きしめ返した。
落ち着く……。
奈々ちゃんの肩に顔を埋めて、高ぶる気持ちを抑える。
脳裏には如月くんの王子様スマイルがずっと浮かんでいる。
如月くんと話すなんて去年以来だな。
本当にびっくりした。
あんな形でも話せて嬉しかったけど、やっぱりドキドキしすぎておかしくなる。
いまの私にとっては如月くんを見ただけで幸せになれるから、話すのは少しハードルが高すぎるみたいだ。