この恋は、きみの嘘からはじまった。
「や、やっぱりいいよ!
職員室で傘を借りてくるね!」
「だめ。
俺の傘で一緒に帰ろう」
ぐいっと肩を引き寄せられ、如月くんの傘の下に入る。
小さく驚きの声を上げるも、おかまいなしに私の肩に手を回したまま歩き始める。
「あ、あのっ……」
「ん?」
「恥ずかしい……」
肩がぶつかっていつも以上に近い距離にドキドキした。
如月くんといると、心臓が何個あっても足りないよ……。
意外に強引なところがある如月くんに私は戸惑うことが多い。