この恋は、きみの嘘からはじまった。
如月くんが何か言おうとした時にこっちに近づいてくる声が聞こえる。
そのせいで如月くんの言葉は遮られてしまった。
私の頬を撫でる如月くんの手がゆっくり下りて顎に指を添えられ、くいっと上を向かされた。
そのままちゅっと、また軽く口付けられる。
「え、人が……」
「大丈夫。傘で見えないから。
もっとしたい」
「ちょ……ん」
大きな黒い傘を道路側に少し傾け、私より背の高い如月くんが覆いかぶさるようにキスをする。
軽く触れて、離れてを繰り返す焦れったいキス。
その焦らしが余計に私を恥ずかしくさせて、とろけそうになる。