この恋は、きみの嘘からはじまった。
「桃瀬さんの心臓の音、すごいね」
「分かってるなら少し離れて……」
「やだ」
如月くんは私に手を伸ばし、横から抱きしめた。
そして胸に耳を当てて私の心臓の音に耳を澄ませる。
服越しに如月くんの横顔が胸に当たり恥ずかしさが増す。
「あ、また速くなった」
「うぅ……」
顔を上げて私を見ていじわるに笑う。
急に如月くんはいじわるになったり、甘くなったりした。
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