Celestial Maiden's Tear
「そかそか!良かった!な、キング!」
「…ああ。」
「…やけに素直やな。…ゴホンッ…あ、姫になったらキングの彼女やからな。そこ覚えといて。」
『えっ』
「あ、あと、また色々と言われるかもしれへんけど、まあ我慢や。いざとなったら俺もキングも助けに行く。それは絶対や。」
『…コクコク。』
「他に質問は?」
『宝…って何?』
掟に書いてあったことを言ってみる。すると、里緒はちょっと困ったような顔をして
「今どっか消えてんねん。先代が無くしてしまったみたいでな。」
と、言った。それから私は、その宝よりも重要なことを言うのを忘れていた。
『あっ…猫…。』
「…猫?なんで猫?」
『…猫、連れてきていい?』
「…ああ。構わん。」
私はバックの中身を開ける。
『…おいで。』
「…ニィ…」
「ナー」
「えっ!ずっとバックの中におったんか…!てかちっさ!」
『まだ赤ちゃん。青い目はシロ、黄色い目はクロ。』
「…お前、可愛いな。」
『…でしょ。』
この時、二人は初めてほんの少し、笑顔を見せた。この二人を見ていた里緒は、顔に出さずとも、びっくりしていた。