Celestial Maiden's Tear
「…大丈夫か?」
この…声は…?上を見ると忘れもしない、作り物みたいに、人形みたいに整った顔で、左目だけが、赤色の…
『…み…つば…?』
「そうだ。…覚えていてくれたか…。良かった…間に合って…。」
『ど…して…』
「え?そりゃあ…G…いや、何でもない。」
『…?…ッ!あの人…!』
「どうかしたか…?」
『まだ、早く行かないと…!死んじゃう、血が、たくさんの…』
「大丈夫、大丈夫だ。俺が行くから、いい子で待っててくれるか?」
『…ッうん…』
そして足早と、よく見ないと見えない、人と人の姿をしている場所へ走っていった。
『…行かなきゃ…行かなきゃ…ッ』
私が必死に戻ると、もう喧嘩は終わっていた。5人は伸びていた。私を守ってくれたその人は、フラフラと壁に寄りかかっていた。
『…ご…めん、ごめん…なさ…っ』
「大丈夫、大丈夫。こんなの…すぐ治る…。それよりも、電話…」
人が殺られるのは見たくない。怪我なんてもってのほかだ。…助けなんかいらない、助けた人が死んじゃうから。
『ホントに、ごめん…。』
「…大丈夫だから。とりあえず電…話…。」
助けてくれた青龍の人が、私を…いや、私の後ろにいた人に目を向けて愕然のしていた。
「オイ、三葉…勝手に居なくなるんじゃねぇよぉ。」
月明かりの夜、白…いや、銀色の髪をした端正な人が、ゆっくりと近づいてきた。
体中が痺れそうな低音ボイス…威圧感たっぷりの声がした。
を吸いながら歩いて向かってくる姿。何とも言えないオーラ。…この人は…
『…私と、同じ…?』
本能的に思ってしまった。