Celestial Maiden's Tear
「…ああ、スマン寿梨。」
二人並ぶと絵になる。それほどまでに彼らは人間離れの顔の良さを持っていた。
「灯、来なくても大丈夫だったんだぞ。」
『……。』
必死に首を振っていた。
『…血が…』
「オイ、もしかしてコイツ、テメェの女かよ?こういうのが趣味なのかよ、三葉ちゃんはよぉ。」
「…彼女じゃねぇ。コイツに寄るな。」
「ああ?テメェ、俺に向かって指図すんのかよ、三葉ちゃん?」
「…あ?」
「怒ってるねぇ。そんなにこの女大事かよ?だったら連れて来いよぉ?」
クックックと笑うあの男から、私を見せないようにぎゅっと抱きしめられた。…苦しい。
「顔見せろよぉ、女。」
ぐいっと、髪を掴まれる。痛い痛い。
「…ほ〜、いい趣味じゃねぇの?この目の色とか。」
褒めるのはそこだけか…。だいたいみんなはそう言うのだけど。
「名前は?」
『…灯。』
「…近づくなよ。寿梨でも渡さねぇ。」
「…連れてくぞ。その女。」
「『は?』」
「…何処に。」
「…桜龍にだろぉが。」