Celestial Maiden's Tear
相手が拳を握って向かってくる。ああ、遅い。脇が甘い。
すっと避け続けた方が身の為かな。相手を殴っても私の手が痛いだけ。
『…っと、危ない、フード取れるところだった。』
「…ッチ…!おい!お前ら!!」
『…仲間呼んじゃうんだ。か弱い女の子を殴る為に。…最低だね。』
「煩せぇ!!!」
複数人来てもあまり意味は無い。余計な動きが多すぎて、相手がどこに来るか予想できる。
ほら、こんなに分析するほど、私は余裕だ。
「ハァ…ッハァ…ッ」
『…体力も無いなんて、弱いね。』
「て…んめ…ッ」
予定変更、コイツら全員片付けよう。
一斉にかかってくる拳を避け、私は反撃を開始した。
ドンッ
ガンッ
バシッ
「…ッ」
ガシッ
バシッ
ガッ
…一気に4人片付けた私は、気付いたら何故か拍手が起きていた。
…普通は逃げるか警察呼ぶか見て見ぬ振りをするかなんだけどな。やっぱり変人の集まりだ。
『…フードも取れないですんだし、まあいいか。コイツらは…放置でいいか。』
…さあ、目的地に行こうか。