佐藤先輩は今日もつれない


「先輩、カバンのチャック開いてますから。ださいです」



先輩は少し抜けていて、いつもカバンのチャックがちょっと開いたまま電車を降りるらしい。



「ださいって、…先輩になんて口の利き方」



眠そうなあくびをはさみながらの会話


私の耳に届くのは、どこまでも透き通った大好きな低音の声。

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