ストーカーまがいの霧川くん!!
「いや~、あれから俺30回くらい告白してんのに、全然振り向いてくれないんだもんな~速水さん。」

「振り向くわけないでしょアンタみたいなストーカーに。」

「ストーカーじゃないよ!ただ速水さんのことが好き過ぎて朝の登校時間を合わせたり休み時間何してんのか知るために着いて行ったりしてるだけ!」

「それをストーカーって言うの。」





ガラリと教室のドアを開け、足を踏み入れる。私はこのバカとは関わりたくない。

隣でもないくせに席まで着いてくるこの大バカ。







霧川 晴明(キリガワ ハルアキ)とは。





と言っても、彼がこうしてしつこく関わって来るのだから、どうしようもないのだけど。






「てゆーか、早く自分の席座ったら?」

「何度だって俺は言うよ。付き合って下さい!」

「人の話聞いて。座れって言ってんの。」





どうやらこのバカに日本語は通用しないらしい。

英語なら通用するだろうか、と一瞬考えてみるものの、いや、もっとダメだな、と、すぐに諦めた。


そもそも地球語が通用するか分からないのだが、宇宙語なんて私は知らないので、仕方なく彼の背中を席まで押した。





「お、ボディータッチ?速水さんたら積極的~。」

「自力で黙るのと口をホッチキスでとめられるのどっちがいい?」



冗談なんかじゃない、本気だ。

私の右手に握られたホッチキスを見て彼もそう悟ったらしく、静かに自分の席へと座った。

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