【完】麗人、月の姫
不可解な事件後
「美麗、なんか学校で変なことがあったみたいね?」
「え?何で知ってるの?」
食卓でお母さんからそう言われた瞬間、月路くんが言った言葉がふと脳裏を過ぎった。
『ここであった事を、口外することは許さない』
バレたら記憶を消されちゃう……………。
「あ、あのね!」
「先生から電話が入ってたの。美麗がその事で少し怪我をしたみたいだからって…………」
あ、何だ。先生から電話が入ってたのか…………。
「で、どうしたの?」
「………へ!?あ、忘れちゃった(笑)」
「自分で言っておいて忘れるなんて、おかしな子ね(笑)」
「えへへ………」
でも、バレなくてよかった。
「あ、美麗。もうすぐ誕生日でしょう?何か変化……………とかない?」
いきなり何を言い出すのかと思ったら…………変化?
「ん〜…………ないかなぁ……。最近、あの夢も見なくなったし、普通だよ?」
「そう…………なら良かったわ!」
そう言うとお母さんは笑顔で微笑んだ。
「いつもより機嫌いいね」
「え?美麗がもうすぐ誕生日だからかな(笑)何かお祝いしないとね♪」
「もう……………いつもいいのに………」
自分の誕生日に無頓着なようで、正直自分の誕生日を忘れがち。
言われて、そっか!……って気づく。
何かしてもらうより、素敵な一言を頂けた方が私は嬉しかったりする。