【完】麗人、月の姫
「あ!美麗きたきた!」
「はぁ………はぁ……………お待たせ」
「どうしたの!?走ってきたの?」
私がついたときには半分までかけていた。
「あと、少しで月が隠れるって感じね」
「月が隠れる瞬間が見れるんだね」
そう思うと少しワクワクする。
親に内緒で抜け出したという罪悪感はもちろんあった。
これを見たさに、私は今日始めて反抗をした。
でも、誕生日の日に私をあんなに祝ってくれた人と過ごす時間は、私にとっても貴重な時間だったの。
「あ、そろそろだね……!」
「…………うん」
だけも、そんな考えが大切なものを奪ってしまうとは思ってもみなかった。
どんなにこのとき、私は身勝手だったのだろうと、後々後悔することになるとは__________…………………。