【完】麗人、月の姫
足音は聞こえない。
上手く逃げ切ったようだ。
「いてて…………一体何が起こったの」
最近変なことが起きてばかりだ。
「紗綾…………」
しかも、今日に至っては大事な友達を失ってしまった。
「……………う………っ…っ……さあ………や………」
涙が止まらない。
悲しくて、どうしようもない気持ち。
収まってはくれない。
「これから私はどうしたらいいの?警察に助けを求めるとか?………………いや、なんか無理そうだな。あ、お母さんは大丈夫なの!?」
私が約束を破ったから、その天罰なのかもしれない。
「ごめんなさい…………っ」
あのとき私が約束を守って、中へいたらこんなことは起きてなかったのかもしれない。
紗綾が死ななくてすんだかもしれない。
これを招いたのは私………………?