【完】麗人、月の姫
「いた。逃さない」
えっ。いつの間に!!!??
気づけば直ぐ側までソイツは来ていた。
見つかったようだ。
「逃げなきゃ……………痛っ!!」
逃げなきゃ捕まると知っているのに、痛む足が動いてくれない。
そういえば、理科室のときもいきなり足音1つなく突然現れたな……。
さっきだってそうだ。気づけばそこにいた。
まるで幽霊のように…………。
「これでお終いだ…」
そう言うとソイツは私に手を伸ばす。
覚悟を決めて、ギュッと目をつぶった。
怖い。まだ死にたくない。
「これは……」
しかし、何も起こらない。
恐る恐る目を開けてみると、壁なんてないはずなのにソイツは私に触れることは出来なかった。
「何故だ………………!!!」
____ドカンっ!!ガゴンっ!!!
色んな攻撃をするが、私に一切当たらない。
これはまるで………………………………。
「結界のようだな」
「……え?」
「見つけましたよ………姫」
声のする上を向くと、木の上に立つ男の人らしき2人が上から見下ろしていた。
「お前らは……………!!!!!」
相手もかなり驚いてるみたい。
この人たちは一体………………?