【完】麗人、月の姫
「取りあえず立て。ここで遊んでいる余裕はないんだ」
蓮さんは上から冷たくそう言った。
「ねぇ、一体何なの………?今何が起きてるの?そして、私たちは___………?」
結界とはなに?
何でお母さんがそんなものを使えるの?
そして、何で私を連れて行こうとするの?
聞きたいことはたくさんある。
「…………後で話す」
「……分かりました。行きましょう」
ここにいても教えてくれないのなら、行くしかない。
付いていく先に答えはあるのだから。
「取りあえず外へ出るか。…………そんな足だと迷惑だな」
そうな事言われたって、怪我してるんだから……。
「どうにかならないのか?」
「どうにかって……?」
「月人の力を使えないのか?」
「月人の力…………?」
「お前何にも母親に知らされてないんだな。無知すぎる」
そんなこと言われたって…………。
取りあえず何か出来る見たいだし、やってみるか。
例えば____…………あの男の子みたいに、前で三角を作り自分の怪我をした足に触れてみる。
見よう見まねだけど………………。
すると、手の隙間から緑色の柔らかな光が漏れだす。
自分でもビックリだ………。
「あ、痛くない!!」
アレほど傷んだ足はすっかりとよくなった。