【完】麗人、月の姫
城の復元
「だいぶマシになったな」
「えぇ。姫が来てからですね」
外の騒がしさに私は目を覚した。
今は何時なんだろう?
取りあえず、外に出てみる。
外には何やら庭から城を見上げる、蓮さんと幸斗さんがいた。
「おはようございます。どうしたんですか?」
「おはようございます、姫♪」
優しくこちらを微笑む幸斗さん。
いつも髪の毛を後ろに束ねているせいか、結んでいない今日はどこか色っぽさを感じる。
「お前が来てから、アレほど荒れ果てていた城は元気を取り戻したなって話をしていたんだ」
そう言って、再び城を見上げる。
それに釣られ私も見上げてみると、城は私が初めて来たときよりも、綺麗で見違えていた。
「これがきっと麗人の力だ。いるだけで国が浄化されている。麗人がいなくなったから、城は古びてしまったのかもしれんな」
本当に私がいるだけで、城がこうなったの………?
「驚いているね(笑)本当だよ。姫がこの城をこうしたんだ」
……………じゃあ、私役に立てたんだね。
よかった。
「麗人の力とは不思議なものだ」
きっとまだ私の知らない力がたくさん眠っている。
早く、みんなの為に使いたい………。
「ご飯まだだろ?」
「うん」
「食べてこい。今日も修行は行ってもらう」
「分かりました」
疲れが取れたのか、今日は普通にご飯を食べることが出来た。