【完】麗人、月の姫



「挨拶が終わった事だし行くか」


「ちょっと待ちなさい!」


ん?どうしたんだろう?


「ここは服屋よ?」


つまり……………。


「買ってくれるんでしょうね?(笑)」

しっかりしてる…………!!(笑)

やっぱ、こうゆうしっかりしてるところは親子だなぁ。


「俺は服に困ってない」

「姫様に服をプレゼントなさってはどう?(笑)」

……………私に!!?

「色んな服を取り揃えているわ!確か和服とかも入荷したの。人間界の服に興味があるものだから、各国から輸入したのよ♪」

和服かぁ…………。

日本育ちだけど、和服は今まで着たことがない。

七五三も行かなかったし、花火大会にも行かなかったし。

あれ?私一体何をしてたんだろう?

行事ごとで楽しい思い出がない…………………。



「……………………仕方ない。じゃあ、これを頼みます」  

「はいよ~!」

透真くんは嫌そうな顔をしながらも、ある和服を選んだ。


「じゃあ、姫様!こちらにいらっしゃい!」

言われるがままついて行き、されるがまま着せられる。

この柄…………可愛い。


宇宙柄というのだろうか?

柔らかくてキラキラしていて……青色が主張された和服。


白色の花が服の中で栄えている。


「さぁ、見せに行きましょ♪」

「え…………あ………」


強引に更衣室から透真くんのとこまで、連れて行かれる。


なんて、言ってくれるんだろう?

褒めては………………くれないね。うん。


『馬子にも衣装』とか言いそう(笑)

確かに着せられてる感があるから、仕方ないって言ったら、仕方ないんだけど……。



「透真!どうよ♪」

寧楽さん…………ちょっと恥ずかしいですっ!!

「…………………」

ほら!!!黙りこんじゃいましたよ!!??


もはや、感想も言いたくないなんて…………。

よほど似合っていないのね。

少しショックだなぁ………。



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