【完】麗人、月の姫
「ふふ…………っ(笑)」
え?寧楽さん!?
何がおかしかったのかな…………。
「透真、正直に言えばいいのに(笑)」
ん?何を??
「……………………………はぁ」
ため息つかれたんですけど………。
「透真くん。帰りましょう」
せめて、着替えていこうかな。
恥をかかせないために。
そう言って更衣室へ向か………………えなかった。
手首を透真くんから掴まれたのだ。
「え、なに?」
「…………そのままでいい」
このまま?
「え、でも…………」
似合っていないんだよ?
それに選んだ本人も何も言ってくれないし。
「いいから行くぞ」
「わっ!」
引かれるまま、お店を後にした。
寧楽さんは何やらクスクス笑っている。