【完】麗人、月の姫
「いつまで引張ってるつもりなの?」
一向に手首を離さない透真くん。
少しだけ痛い……………。
「あ、悪い…………」
一体何だったんだろう。さっきのは。
「大丈夫。それよりも私、こんな格好だけど良かったの?」
「………………」
また出た。直ぐに黙りする。
そんなに言いたくないなら良いや。無理に言わせるのもあれか……………。
「ごめんね、もう聞かないから」
「………………る」
ん?
「……………似合ってる………」
今………………なんて……。
褒めた?あの透真くんが??
「あぁ、もう!!!!!いくぞ!!!!!っていうか、俺が決めたんだからセンスが良いに決まってるだろ!!!」
…………いつも通りの透真くんだ。
照れ屋さん?顔真っ赤っか……………。
褒めるのがきっと苦手なんだね(笑)
「ありがとう(笑)」
そんな透真くんに不思議と笑みが溢れる。
意外と子供っぽいとこがあるんだって面白くなった。
「笑うんじゃねぇよ」
スゴく不機嫌だけど不思議と怖くない。
「帰ろうか」
そう言って透真くんとお城へ戻った。