【完】麗人、月の姫
確かに紗綾の言いたいことは分かるけど、反抗したところで何も起きないし、こうゆうのは従うのが1番だと思う。
「昼休み何しようか?」
ご飯を食べ終わり、片付けが済んだところで私たちの昼休みは始まった。
「あ、私先生に呼ばれてたの!」
今日、廊下で理科の先生から呼び出されていたことを思い出す。
「私も行く!!」
「1人で来いって言われちゃって…………」
理科の先生とはあまり接点がないんだけど、一体何で呼び出されたのかさえ分からない。
「怪しい…………何かあったときは下から股にかけて蹴り上げれば無事に逃げ切れると思うからやってみて!」
「そ………そんな事はされないと思うけど」
接点はないものの、周りからは優しい先生だと評判だ。
そんな事をする人には到底見えない。
取りあえず紗綾と別れ、呼び出された理科室へと向かった。
「先生………?」
中は暗くて、先生がいるような気配は感じられない。
「いないの………かな?」
取りあえず中に入ってみたものの、誰もいない。
もしかしたら、場所を間違えたのかもしれない。
言われた場所は3だと思っていたのだが、理科室は1から3まであるため聞き間違え勘違いしていた可能性も十分にある。
「取りあえず、他の教室に行ってみよう」
そう思って入ってきたドアから出ようとしたが……………。
「開かない………………っ!!??」
しかも、入るときに開けて入ってたはずだが、気づけばしまっていることにも気づいた。
いつ、閉まったの!?
音さえ聞こえなかった……………。