【完】麗人、月の姫

最善策を




【side蓮】


「ん……………あ?」


目を覚ますと俺は布団の中だった。最近はやる事が多くて机に突っ伏して寝ることが多かったから、今の状況を把握するのに少し時間がかかった。

「あぁ…………そういえばそうだったな」


確か昨日は美麗に言われて渋々休んだんだった。


命令じゃなかったら、絶対に休むことはなかった。


今が1番忙しいときだったから。

机の上に置いてある資料に目を通す。

「もうすぐ起こるかもしれねぇなぁ…………」

第2月人戦争が。

また多くの犠牲を出しかねない。


できれば避けたかったんだが、向こうがそれを許さないだろう。


『麗人の国を我らの国の配下にすることを認めよ』

国を我が物にする要求がそこには書かれてあった。

これを断れば奴らは絶対に何か仕掛けてくる。

一応、国の幹部達に話でどうするべきか決めなければならない。

答えは決まっているけどな………………。



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