【完】麗人、月の姫

会談






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あぁ………………またこの2人だ。


『陰国の奴らが何かを仕掛けようとしているそうじゃな。戦争は好まん』


『なぜ陰国はそんなに麗国にこだわるのだろうな?』

『奴らにとって麗人は邪魔だからじゃ。でも、わらわは仲良くしたい。お主と平和な世界で生きたいのじゃ』

『……………………俺と貴方とは身分が違う。俺は貴方と添い遂げる資格なんてねぇよ』

『またそれか……………。お主が剣士だろうが護衛人だろうが何だって構わぬ。わらわがお主じゃないと嫌なのじゃ!』

『…………………そうかよ』


向けた背中は冷たいのに、表情が寂しそうなのね……。


『このままだとたくさんの血が流れる………嫌な予感しかせぬのだ。だから、今のうちに抱きしめてはくれぬか?』


『また予知夢かよ………………。仕方ねぇな』

冷たく背を向けたくせに、抱きしめる腕は優しくて暖かい…………………。







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