【完】麗人、月の姫
________ガタンっ!!!!!!!
吹き飛ぶドア。
一斉に外からの光が中へ入り込む。
「ぐっ……………」
フードを被った男の人は少し辛そうだ。
力ない手から携帯が落ちる。
「お前……………」
蹴り破られたドアから現れたのは、同じクラスのあの月路くんだった。
私を見て驚いた顔をしてる。
「……………チっ。今はそれどころじゃねぇな。お前は後ろに下がってろ!!」
「はい………!」
あまり聞かない月路くんの声は、思ってたのより低くて、見た目通り落ち着いた声だと思った。
「コイツ…………まさか…………。ツイてねぇな…………」
フードの人は辛そうな声でそう洩らした。
この2人は一体………………………あ!!!!
「月路くん!その方は少し危ないです。危険です!!」
「そんなの見たら分かる!お前は一歩も動くなよ!!」
月路くんは手を前に三角を作ると、よく分からない呪文のようなのを呟いた。
すると光と同時に中から立派な剣が現れる。
…………………………って、剣!!?
「こんなところにスパイが来ていたとはな。やはり、ここに探し者はいるみたいだ(笑)」
あの月路くんとは考えられない得意げな顔。そして、とても自信満々そうな後ろ姿。
今、ここで何が起きているのか分からない。