【完】麗人、月の姫



「うりぁぁぁぁぁあ!!!!」

剣を怯む相手にひと振りすると、相手は苦しみ灰のように朽ちていった。


「全く弱いやつだ。ん?これは通信機か?アンテナ立ててると言うことは仲間に何かを伝えようとしていたのか?………取りあえず壊さねぇとな」


そう言うと右足で思いっきり踏み付けた。

すると、グシャリ………と変形して壊れた。

これじゃたぶんもう使えないだろう。

もうこれを使えないように壊したんだ。


「人を食って力でもつけようって考えだったのか……?まぁ、それはいいとして、ここであった事を口外することは許さない」

いや……………言いたくても言えないよ。

「……………記憶を消去させた方が早そうだが、久しぶりに動いたせいで疲れたからやめとく」

記憶を消すってなんか怖い!!!

暴力的にってことだよね!!?

「………………あっ!先生___っ!!!」

そういえば、先生が倒れてたんだった!


「急いで保健室に連れて行かないと……!でも、私1人の力じゃどうにもならないし……」


「さっきまでお前を襲おうとしてたやつだぞ?」

「それはさっきの方に取り憑かれていたからでしょう?それならこの人に悪意なんでありません」

そんな人じゃないもんね、先生は。

「……………はぁ。本当お人好しだなお前は」

呆れられた?

「他の先生呼んだ方が早い。呼び行くぞ」

「……………………え?」

「グズグズすんな。説明するのはお前だからな!上手いように説明しろよ」


「ありがとう……!!」

助けてくれたし、こんな時に手伝ってくれる人が悪い人なわけ無い。

きっと中身は優しい人なのね。

「ありのままの事を話したら、どうなるか分かってんだろうな?」

「い…………言いませんよ!!」

ちょっと怖いけど…………ね?

なんか訳ありっぽい。



< 8 / 86 >

この作品をシェア

pagetop