【完】麗人、月の姫
元の生活
✽
______ピピピピピ…………!!!!!
「…………っ!!!??」
目覚まし時計に反応し、勢い良く起き上がる。
時計を見ると時刻は朝の7時半。
私はいつものように中学の制服に身を包み、支度を始める。
誰かがいたはずなのに、そこには誰もいなくて、リビングはシーンとしてる。
私を呼びかける声が最近までしていたはずなんだけど……………。
でも、気のせいなんだよね。
私は15歳で親を交通事故で亡くしたのだから。
不思議なことに私の誕生日前後からあまり覚えてはいないけど、その日に親を亡くした。
そこからは親の貯金で何とか1人でやっている。
でも、それもいずれ限界になるだろうということで、施設入りも検討されている。
「おはよー!」
「あ、美麗ちゃんだ!おはよう!」
「宿題した?」
教室に入ればいつも通りの何気ない会話。
だけど、何でかな?
物足りない。
何かが足りない気がするの。