家政婦になりました。1
私は知ってるよ?
葵の携帯の待ち受け画面は翔琉だってこと。
そんなことしてる人がお荷物なんて、思ってるわけないじゃん。
『あんたがしなきゃいけないのは、迷惑をかけないようにすることでも、お荷物にならないようにすることでもない。』
いつまでもフラフラしてる馬鹿兄貴に、
『自分の兄貴のケツ、ひっぱたいてやる事だよ。』
目を覚まさせなよ。
『あんたの家族だろ?もうたった一人しか居ない、大事な家族なんだろ?このままで良いわけないじゃん。』
私も、葵の人を探るような気持ち悪い目は嫌いだ。
そんな過去が今の葵を作ってるんだとしても、
『今度は翔琉が兄貴を助けてやんな。』
翔琉なら出来るよ。
涙を溢すこの子の頭を目一杯撫でてやる。
『弟に甘えられるのも、頼られるのも私達にとって嬉しいことなんだよ。』
たまには、甘えてやりなよ。