家政婦になりました。1


私は知ってるよ?
葵の携帯の待ち受け画面は翔琉だってこと。



そんなことしてる人がお荷物なんて、思ってるわけないじゃん。



『あんたがしなきゃいけないのは、迷惑をかけないようにすることでも、お荷物にならないようにすることでもない。』



いつまでもフラフラしてる馬鹿兄貴に、




『自分の兄貴のケツ、ひっぱたいてやる事だよ。』



目を覚まさせなよ。





『あんたの家族だろ?もうたった一人しか居ない、大事な家族なんだろ?このままで良いわけないじゃん。』



私も、葵の人を探るような気持ち悪い目は嫌いだ。
そんな過去が今の葵を作ってるんだとしても、




『今度は翔琉が兄貴を助けてやんな。』



翔琉なら出来るよ。




涙を溢すこの子の頭を目一杯撫でてやる。



『弟に甘えられるのも、頼られるのも私達にとって嬉しいことなんだよ。』



たまには、甘えてやりなよ。


< 258 / 542 >

この作品をシェア

pagetop