記憶の中の記憶
「珠姫に死なれたら、俺は一生独身になる。そうならずに済んでよかった~!って言う涙だよ。」

「ひどい。私の事を心配してくれてたのに。」

「はい、そうでした。」

賢人のユーモアを聞きながら、私は電話帳から、保険会社の名前を探した。

「あっ、あった。これじゃないかな、保険会社。」

「どれどれ?」

電話帳を見せたら、賢人はスマートフォン事、持って行った。

「これ、ちょっとの間、借りれる?違ったら、また電話帳で探してみる。」

「ああ、うん。分かった。」

賢人にスマホを預けて、私はベッドに横になった。


「ねえ、賢人。」

「なに?」

賢人は、布団を被せてくれた。

「私、まだ賢人の事、全部思い出したわけじゃないんだけど……」



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