記憶の中の記憶
「なんだか、久しぶりに賢人の寝顔見てたら、寝れなくなっちゃって……」

「そんな、面白い顔してる?僕。」

半分寝ながら、笑みを浮かべている賢人。

さすがに申し訳なく思えてきて、今、考えている事を、言ってしまおうと思った。

「ねえ、賢人。」

私の心臓が、ドキドキしてきた。

「なに?」

「……この家で、一緒に住まない?」

急に振り向く賢人に、声が震える。

「もちろん、賢人が嫌じゃなければだけど……」

「そんな事、ないよ。」

完全に起きてしまったのか、賢人は少し体を起こして、私を見下ろした。

「嬉しいな。珠姫もそう思ってくれてたなんて。」

「もしかして、賢人も同じ事、考えてたの?」

「うん。」
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