ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
沢山の朱鳥の声と表情が思い浮かんでくる。

元気に名前を呼んでくれる朱鳥

朝、いちばん最初に元気をくれる笑顔の朱鳥

辛そうにしながらも、小さく微笑んでくれる朱鳥

抱きつきながら、嬉しそうにしてくれる朱鳥

苦しくても、ずっと俺の名前を呼んでくれる朱鳥

何気ないことでも、微笑んでお礼を言ってくれる朱鳥



沢山の朱鳥との思い出

初めてのデートは、どこだっけ……

水族館……かな…

あの時の朱鳥の嬉しそうな表情は、今も夢に出てくる。

初めての水族館に興奮して、子供のようにはしゃぐ朱鳥が可愛くて、今でも朱鳥が使ってくれているイルカの抱き枕は、その時買ったんだったよね……

その日撮ったプリクラは、今でも、毎日、大事に持ち歩いている。

あとは……

病院ではつけられないから、更衣室に置いてきているけど、毎日必ずつけているあのネックレスも朱鳥とお揃いのものだったよね……

朱鳥、あれをあげたときは、ものすごく喜んでくれて、俺も、すごい嬉しかった。

最近の思い出と言えば、動物園だよね…

初めて、家族で行ったお出かけのようなもの。

朱鳥が出産してからは、俺もなにかと忙しい時期が来ていて、なかなか休みも取れなかった。

だけど、本当に久しぶりに休みが取れたから、俺も嬉しかったんだっけ

葉月も柚月もものすごく喜んでくれたよな…

いっぱい、動物見て、すごく楽しそうにしてくれていた。

帰りの車は、俺以外みんな寝ちゃってたんだよね……



そうやって思い出していくと、次々と思い出が溢れて、同時に涙も溢れて止まらなかった。

朱鳥の笑顔

それを見れるのが、なによりの俺の幸せだ

朱鳥………………

生きて…

神様…………

お願いだから、これ以上、朱鳥を苦しめないでください…

お願いだから、朱鳥を…………連れていかないで…
< 109 / 418 >

この作品をシェア

pagetop