ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
それから、朱鳥ちゃんは少しの間泣き続け、その後、涙を拭いてから俺にペコリと頭を下げると、小さく微笑んで中庭を去っていった。

ベンチには、朱鳥ちゃんが残していった沢山の涙の跡。

俺は、それを、そっと指でなぞってみた。

まだ冷たい朝の風が、中庭の木をサアッと揺らした。

1人になってしまった中庭には、悲しい空気だけが残っていた。
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