ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
俺が、リビングに来てからもう5時間……

朱鳥、大丈夫かな……?

朝ご飯も食べてないみたいだし、もうそろそろ昼ごはんの時間だ…

酸っぱいものなら、食べれるって言ってたけど……

俺は、それからグレープフルーツを切って、それとゼリー、ヨーグルト、ホットミルク…など食べやすいものをお盆に載せてそっと寝室に向かった。

寝室に入ると朱鳥は、イルカの抱き枕を抱きしめ、ギュッと目をつぶって苦しそうに息をしていた。

俺は、ベッド脇のサイドテーブルにお盆を置き、そっと朱鳥の頭を撫でる。

すると、朱鳥はうっすらと目を開けた。

「…楓摩……」

「あ、ごめん。起こしちゃった?」

「ううん。大丈夫。」

朱鳥は大丈夫と言うものの、実際はとても辛そうだ。

「朱鳥、お昼ご飯持ってきたけど、なにか食べる?」

そう聞くと朱鳥は小さく頷いた。

俺は、朱鳥の背中を支えてやり、朱鳥を起こす。

朱鳥はヨーグルトとグレープフルーツを少しだけ食べて、またベッドに横になった。

「…朱鳥、ちょっと診察してもいい?」

コクン

頷いてくれた朱鳥を見て、俺は診察道具を取りに行った。
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