ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
「「ばいばーい」」

「またね」

そう言って、私は笑顔で帰る2人を手を振って見送った。

病室の外では、お手伝いの…確か、楓摩の知り合いの子が待っていて、楓摩は、2人を一旦その人に預けた。

それから、ゆっくりと、私の方へ歩いてくる。

「朱鳥」

そう言って、小さく笑う楓摩。

「楓摩、今日は、ありがとう。楽しかった」

私がそう言うと、楓摩は少し困ったように笑って、私の手をそっと握った。

「大丈夫。また、会えるから。…というか、また一緒に暮らせるから」

そう言う、楓摩に私は、素直に頷けなかった。

本当は、そうなることが1番いい…けど、心のどこかでは、"そんなの無理だ"っていってる自分もいたから。

「…そんな悲しい顔しないでよ。ね?絶対、大丈夫だか「大丈夫じゃないっ!!!!」

大声を出してからハッとする。

私……何言ってるんだろ…

楓摩の顔を見ると、楓摩は、今にも泣き出しそうな顔をしていた。

「…ごめんね。無神経なこと、言っちゃったね……。…でも、俺は、また、みんなで一緒に暮らしたいから……さ…………」

胸がズキンと痛んだ。

気がつくと、自然と涙が溢れていた。
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