ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐

当たり前の出来事が

目の前に並ぶご飯をジーッと眺める。

湯気がたっている美味しそうなご飯を見ても、食欲は湧かない。

最近は、点滴やチューブで済ましてきたら、お腹も空かないし、食べたくもない。

なのに、今日からは"体力作り"だからと、ご飯を食べるように言われた。

食べても、どうせ吐いちゃうのに……

そんなことを思っていると、ドアがノックされた。

コンコンッ

「朱鳥ちゃん、おはよー」

そう言って、入ってきたのは久翔先生……と…?

久翔先生の隣に立っているのは、後ろで小さく束ねた髪が印象的なキレイな女………の人?

「あ、紹介するね。彼は、管理栄養士の瀬戸 穂南(せと ほなみ)くん。」

「朱鳥ちゃん、こんにちは。僕は、瀬戸 穂南。こんな見た目だから、よく間違われるけど、一応、男だよ。よろしくね」

そう言って微笑んだ先生は、本当に女優さんのような、美人だ。

身長も高くスラッとしており、切れ長の目、高い鼻、白い肌。

本当に、私の理想の"美人"に近い人だ。

……この人が、男とは…………
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