ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
ご飯も食べれるところまで食べ、穂南先生は他の仕事をするために帰った。

病室には、私と楓摩だけ。

「ねえ、朱鳥」

「ん?なーに?」

そう言って、楓摩の方を向くと、楓摩にポンポンと頭を撫でられた。

「朱鳥、変な事聞いていい?」

「変な事?…………いいけど……」

そう言うと、楓摩はまた少し笑って頭を撫でてくれる。


「朱鳥さ、病気、治したい?」

楓摩に聞かれた質問の意味を少し考えてから、私は少し寂しい気持ちで口を開く。

「…うん……それが、叶うならね…………」

すると、楓摩は少しだけ困ったように笑った。

「……もし、必ず…ではないけど、高い確率で病気が治るとしたら…………そんな治療があるとしたら、受ける?」

「うん」

「それが、朱鳥にとって辛いことでも?」

「うん」

「頑張れる?」

私は、その問いにはすぐに"うん"とは頷けなかった。

「なに?そんなの、あるの?聞くだけ聞いただけだったら、怒るよ……?」

そう言うと、楓摩は、もっと寂しそうな顔になって、私の手をギュッと握った。































「………………朱鳥、アメリカで治験を受けてみない?」
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