ある雪の降る日私は運命の恋をする‐after story‐
楓摩side

苦しそうに荒く息をする朱鳥の手を握る。

体力作りのための治療を開始してから、約二週間。

最初のうちは、まだご飯なども頑張って食べれていたが、病が進行しているのか、朱鳥の体調は日に日に悪くなる。

ここ三日は、朱鳥は、ご飯も食べれず、一人で動くことも喋ることもままならないほど衰弱していた。

俺は、仕事の合間を縫って朱鳥の世話をした。

治験の申請が受諾されるのを待ちつつ、朱鳥が、どうかそれまで生きてくれることを必死に願った。

願う

その行為は、とても虚しいものだった。

自分では、何も出来ない。

いくら願っても、朱鳥は弱っていく。

とても虚しくて、悲しい気持ちになった。
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